エリザベート


歌詞   ミヒャエル・クンツェ
音楽   シルヴェスター・リーヴァイ


2000.7@帝劇
東宝

キャスト エリザベート:一路真輝
トート:山口祐一郎
ルキーニ:高嶋政宏
フランツ・ヨーゼフ:鈴木綜馬
ルドルフ:井上芳雄
ゾフィー:初風諄 その他

 貧乏さんな私は前々からミュージカルは好きでよくCD聞いたりしたんですが始めて実際に現場で(!?)見たミュージカルなんです。外国のミュージカルのCDとかは何度か聞いたりしてたんですけどそれを日本語になおしたのは全くと言ってもよいほど食わず嫌いしてたんです。今でも翻訳ミュージカルは元の味が落ちてしまうって思うときはあるんですけどとりあえずこれをきっかけに私の演劇好きが本格化した思い出深〜い作品だったりします。
 舞台が始まってまずルキーニ役の高嶋政宏さんがなんだかほんとに気が狂ってんじゃなかろうか・・と思うくらい狂っていらっしゃったんです。

そして歌が始まるとやっぱプロは上手いのね〜とかわけわかんないこと考えながら見てると上からいすが降りて来てトート閣下こと山口祐一郎氏がカッコよく登場なさったんです。そして彼が歌いだすと「いい声〜♪」と完全にう〜っとりとしていて見る前までハナから馬鹿にしてかかってた私は何処へやら・・(笑)。

 本舞台の主人公エリザベートがブランコから落ちて死んでしまい黄泉の国に行くのですがそのときトート閣下はエリザベートを愛するようになりもとの世界に帰してあげるんです。そのときのトート閣下ナンバー「愛と死の輪舞」は素敵でしたよ〜。完全にもはや何も考えずただひたすらう〜っとりしててオペラグラスから穴があくんじゃなかろうかというくらいただひたすら山口祐一郎氏の姿を追っていました。ふと我に帰って隣を見てみると私と同じ事をしていた友人の姿が・・。趣味が同じなんですかね?「類は友を呼ぶ??」って気分でした。

 この先エリザベートはフランツ・ヨーゼフ皇帝に求婚されて結婚するのですが、エリザベートこと一路真輝さん、結婚後はと〜っても歌も芝居も上手かったんですが逆に結婚前は見ててちょっと無理があったかも・・。「パパ!!」とか言って後ろから抱きつい足りしているのを見てて歌詞やらセリフにいまいち感情こもってなさそうで見ててな〜んかしっくりこなかったんです。

 結婚式のシーンではなぜか司祭様がトート閣下。みょ〜うに派手な衣装に身を包んでいらっしゃって司祭であの服はなかろうに・・って気分でした。あと〜トート閣下が「汝の意志に相違ないか」みたいなことを言ったあとエリザベートの返事に何故かエコーがかかってたんです。聞いてるこっちは「はいッ、はいッ、はいッ・・・」と繰り返して言ってるのかなぁ〜もしそうだとすると大変だろうなぁ〜とそんなアホみたいな事ばっか考えてました。そしてそれに続くトート閣下の高笑い、もはや私も壊れてたんでようね。今から思うと「あれは怖いって・・」としか思えないあの笑い方がただひたすらカッコイイ・・としか思わなかったんですから・・。

 そしてその日の晩の婚礼のパーティーらしき時にトート閣下がエリザベートに迫ってゆくのですがそのときのナンバー、「最後のダンス」での祐一郎氏がまたカッコよかったです〜。そろそろ読んでいらっしゃる方、「もっと他に言う事ないんかい!!」と思うでしょうがそのときはそれしか頭のなかになかったんです。も〜う声がうっとりするくらいによく伸びてるし祐一郎さんもその観客の期待にこたえて(!?)ますます頑張ってくださるから・・もう(笑)。あえて他のキャストに関して思ったこと、時間が停止しているのを表すために静止なさったフランツ・ヨーゼフ皇帝。ず〜っと静止してるけど・・辛くないのかしら?? そしてトートダンサーたちは髪の毛をを振り回すみたいに腰から頭のあたりをひたらすら動かしていらっしゃったんです。それを見ているうちにぎっくり腰にならないのかなぁ・・とか、かつらがポロッと落ちたりしないのかなぁとか考えてたんです。挙句の果てには「かつら、どうやってくっつけているのかなぁ・・」とか考え出して気になって気になって仕方がありませんでした(汗)。そして私の友人は「獅子舞みたい・・」・・とおっしゃいました・・。獅子舞って・・あの・・。

 宮廷内で対立が起こっているまにもハンガリー独立を目指す革命かたちの動きは活発になり民衆たちも王室への怒りを募らせてゆくのですけど革命家の中でもエルマーの今拓哉さんがカッコイイです。他にも数名革命家さんはいるけど存在感が違います。「世が世なら革命家!?」思うくらいはまり役でした。後で気づいたけど今拓哉さん、「レ・ミゼラブル」でもアンジョルラスっていう学生革命軍のリーダーの役もやってたのね。やっぱりこの手の役が上手いはずだ・・と思わず納得。ルキーニも民衆の王室への怒りを先導しているみたいな感じがして仕方なかったです・・が、結構民衆に対しても王室に対しても冷ややかな感じがしました。狂言回しって難しいだろうに上手く演じていらっしゃいました。「ククク・・・」って笑ってるところもいい感じだし。狂言回しって好き。個人的にポイントです。・・が現実に狂言回しちっくな人がいたら怖い・・ていうか振り回されるだろうなぁ。

 お仕事で忙しいエリザベートママにほっとかれっぱなしのルドルフ君。子供時代の彼はと〜っても可愛かったです。「私にならいっくらでも甘えてくれてもいいのよ〜☆」・・な気分でした。そのまま舞台上からかっさらって行きたかったです(爆)。

 エリザベートに皇帝陛下をまるめこまれてお怒り気味のゾフィー皇太后、家臣たちとエリザベートに対抗しようと皇帝陛下に浮気をさせようと計画を練るのですがそのときのゾフィーさま・・とっても楽しそう・・。家臣その1みたいな役でもよいから乱入してやってみたかったです。舞台が終わった時みんな「エリザベートになりたい」的な発言が多かったのに私は「ゾフィーの役やりたい・・」でしたから(笑)。

 そして娼婦のみなサマ・・カッコよすぎ・・。衣装も凄いしなかなかドスのきいた歌声がみょ〜うに気に入ってしまいました。特にマダムヴォルフ、シルビアクラブさんはムチ片手に歌っててバシ〜ン、とかいってすごかったです。

 と〜っても可愛かったルドルフ少年、大きくなってもなかなか素敵です。井上芳雄さん、まだ音大生だって言うのにもかかわらず歌上手すぎ!!とっても初々しくてそれが逆に素敵でした。トート閣下とのデュエット「闇が広がる」はどっちもカッコよかった。それ以上もはやいうべき事は何もありません。山口さんの低めのテノールと井上さんの高めのテノールがいい感じに響きあってましたし振り付けもカッコよかったです〜。それにしてもこの人、出たと思ったら30分くらいで消えていったな・・。怒涛のような30分の生涯でした。

 そして舞台もラストにさしかかりず〜っとすれ違ってきたエリザベートと皇帝陛下。2人のデュエット「夜のボート」はバックの空も綺麗だったし2人とも年取ったのね〜(失礼)な感じのする妙な貫禄のあるデュエットでした(笑)。今まで皇帝陛下、「何?このおっさん・・」とか思ってたけど、ここの皇帝陛下はいい感じでした。いえ、全体的にこの人、悪い人じゃないんだけど、役が役で優柔不断だったから何かイライラして・・。

 そして皇帝陛下とトート閣下の夢の中で(なのかな?)エリザベートのことで争ってる時そのちょっと前まで年取ってたはずなのにみょ〜うに若々しくてちょっと「あなた・・年取ってなかった???」って思わず聞きたくなってしまった。でもまぁ奥様を取りあいしているわけだから設定からして仕方がないのも分からないでもないけど・・。ここでのトート閣下の衣装、真っ白だったもんだから最初「何事!?」と思ってしまいました。何で白なの白!?・・ってね。

 そしてエリザベート皇后がルキーニに刺されてトート閣下と黄泉の国に行くのですがそのときのトートダンサーの動きがみょ〜うにインドちっくに思えて「黄泉の国はインドなの??」とか思ってしまいました。壁に吊るされていたんで落ちないかな〜とか気にしてましたし・・。エリザベートの最後の真っ白なローブは綺麗でした〜。

衣装も全体的に華やかで綺麗なのがいっぱいあったし照明もと〜ってもとても華やかだったので衣装好きもとい照明マニアの私としてはと〜っても嬉しい作品でした。昔照明係まがいなことをしていたので・・。
 帰るときもう「このまま死んでも惜しくない!」くらいのことを考えてました・・。しかも興奮していたせいか足元もふらふらしておぼつかなかったです・・。う〜ん、でもやっぱり祐一郎氏は素敵でした(結局そこか!!!)。



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